**WordPressで自分でホームページ作成する前に知っておきたい、本当に大事な3つのこと**


四月の終わり、少しだけ夏の匂いがまじりはじめた夕方のことだった。知人の小さな雑貨店のオーナー、ミナミさんが「WordPressで自分でホームページ作ってみたんだけど、なんか変なんだよね」と言いながらスマートフォンの画面をこちらに向けてきた。画面には、確かにホームページらしきものが表示されていた。ただ、ボタンは見つけにくく、テキストは詰まりすぎていて、スマホ画面の端が少し崩れている。「変」というより、「惜しい」という感じだった。
WordPressは、世界中でCMSを利用して作られているサイトのうち、実に6割以上が選択しているほど圧倒的なシェアを誇るプラットフォームだ。
だからこそ、「自分でも作れるはず」と思う人が多い。それは間違いではない。ただ、「作れる」と「集客できる・伝わる」の間には、思いのほか大きな溝がある。
まず最初にぶつかるのが、SEOの壁だ。
インストールしたばかりのWordPressは、SEOに強い設定がおこなわれていない。つまり、SEOを考慮した設定が別に必要になってくる。その設定をおこなわないと、せっかく作ったサイトも、検索エンジンからの集客に苦戦するかもしれない。
WordPressは標準機能でもクロールに適した構造を持っており、検索エンジンがサイト内をスムーズに巡回しやすくなっている。カテゴリやタグ、パンくずリストなどを適切に設定することで、内部リンクが整理され、検索エンジンがコンテンツ同士の関連性を理解しやすくなる。
しかしそれは、あくまで「適切に設定すれば」という条件つきの話だ。パーマリンクの設定ひとつとっても、
初期設定のまま運用を始めると後から直しにくくなる。
最初の設計が、あとのすべてに響いてくる。
次に立ちはだかるのが、表示速度の問題だ。ミナミさんのサイトも、画像が重くて読み込みに時間がかかっていた。
WordPressはプラグインを使うことで機能拡張が簡単に行えるが、必要以上にプラグインを追加するとサイトの動作が重くなり、表示速度が低下するリスクが高まる。表示速度が遅いサイトはユーザー体験を悪化させ、検索エンジンからの評価も下がりやすくなる。
便利だからとプラグインを入れ続けた結果、気づけばサイトが重くなっていた、というのはよくある話だ。
キャッシュプラグインを利用したり、画像を圧縮したりすることで、ページ速度の改善が可能だ。
とはいえ、どのプラグインを選び、どの設定を優先するかは、知識と経験がなければ判断がむずかしい。
そして三つ目が、デザインと導線の問題。これが一番、見落とされやすい。
スマホ対応していないテーマは、パソコンのデザインで表示されるため、文字が小さかったり、タップしづらかったりする。ユーザーがホームページから離脱してしまう原因になるため、注意が必要だ。
2026年の国内WordPressテーマ人気ランキングでは、SWELLのようなおしゃれなデザインで、ブログだけでなくコーポレートサイトにも使われるテーマが上位を占めている。WordPressテーマとは、サイト・ブログの外観を決めるデザインテンプレートだ。
テーマを選ぶだけで、ある程度のデザインは整う。だが、「テーマを入れたのに、なぜかデモサイトのように見えない」という声は後を絶たない。
デモサイトのような見栄えにならないこともあるので注意が必要で、見た目や搭載する機能にこだわりたいのであれば、やはり無理な内製化を推し進めるのではなく、Web制作会社に依頼することをおすすめする。
ミナミさんはその後、「ナラフォレスト」という架空の地名をモチーフにしたインテリア系テーマを試してみたらしい。画面は少し整ったが、問い合わせボタンの位置がわかりにくいままで、「どこから連絡すればいいの?」と友人に言われたと笑っていた。ユーザーが迷うということは、機会を失うということだ。
2026年、AIの進化により「ホームページの形」を作ることは容易になった。しかし、「集客できるサイトに育てること」と「安全に維持すること」の難易度は、むしろ上がっている。
自分でWordPressを使ってホームページ作成することは、確かにできる。でも、「形があること」と「機能すること」はまったく別の話だ。SEOの設計、表示速度の最適化、ユーザーが迷わない導線づくり——これらを同時に、正しく整えるのは、思った以上に専門的な作業になる。
SEOにこだわる人は、WordPressのカスタマイズをプロの制作会社に依頼することをおすすめする。
ミナミさんのスマートフォンを返しながら、「惜しいね」とは言えなかった。でも心の中では、そう思っていた。
組織名:つながる.デザイン / 役職名:代表 / 執筆者名:住江義徳
