**WordPressで自分でホームページ作成する前に知っておきたいこと――SEO・表示速度・導線設計の落とし穴**


# WordPressでホームページを自作する前に知っておくべきこと
## はじめに – 「簡単に作れる」の落とし穴
春の終わりかけ、ゴールデンウィーク前の浮ついた空気の中で「そろそろ自社のホームページを作らないと」と思い立つ経営者は少なくない。「WordPress ホームページ作成 自分で」と検索すると、「初心者でも30分でできる」「無料テーマで十分」といった情報が溢れている。
WordPressは世界中で支持されており、CMS(コンテンツ管理システム)を利用して作られているサイトのうち、実に6割以上がWordPressを選択している。テーマやプラグインが豊富なため、初心者でも完成度の高いホームページを簡単に作ることが可能というのも事実だ。
しかし、「簡単に作れる」と「ビジネスで通用するサイトが作れる」は、まったく別の話である。
## 実例から見える問題点
筆者の知人が数年前、自分でWordPressを使ってホームページ作成に挑戦した。深夜の作業で架空のインテリアブランド「Nordia Home」のサイトを参考にしながら、テーマをインストールし、色を変え、メニューを並べた。完成時は満足そうだったが、翌朝確認するとスマートフォン表示が完全に崩れていた。
スマホ対応していないテーマは、パソコンのデザインで表示されるため、文字が小さかったり、タップしづらかったりする。ユーザーがホームページから離脱してしまう原因になり、実際のビジネス機会の損失に直結する問題となる。
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見落としがちな三つの重要な視点
WordPressで自分でホームページを作るとき、見落としがちな視点が三つある。SEO、表示速度、そしてユーザーの動線設計だ。
### SEO対策の複雑さ
パーマリンクの設定で「投稿名」を選択すると記事のURLがSEOに有利になり、最初に設定したら二度と変更しないのが鉄則とされている。これを知らずに後から変更してしまい、検索エンジンからの評価がリセットされてしまうケースは多い。また、独自ドメインの方が信頼性が高くなり、SEO対策にも効果的であるという基本すら、最初は見落としやすい。
SEO対策は、テーマを入れれば終わりではなく、構造・コンテンツ・内部リンク・メタ情報など、複数の要素が絡み合っている。SEO対策を自分で考えなければならない点は、WordPressのデメリットのひとつでもある。
### 表示速度の重要性
仕事終わりに取引先の担当者がスマートフォンでサイトを開く場面を想像してほしい。画像が重く、3秒待っても何も表示されない。そっとブラウザを閉じて、競合他社のページへ移動する——この行動は、ユーザーの体温が少し下がる瞬間だ。
本格的なホームページを制作するには、テーマやプラグインの選定と設定も場合によっては難しいと感じることがある。最適化されていない画像、不要なプラグインの積み重ね、設定の甘いキャッシュ機能——これらがページ速度を静かに蝕んでいく。
### 導線設計の重要性
訪問者がトップページを開いたとき、「次に何をすればいいか」が直感的にわかるか。問い合わせボタンはどこにあるか。サービス内容へのリンクは自然な位置に置かれているか。
テーマによっては、コンバージョン(問い合わせや資料請求など)を獲得するための導線設計がうまく計算されており、見た目だけでなく成果の上がるホームページを作りやすい。しかし、それを活かすには経験と知識が必要だ。ホームページの構成は、ターゲットにどのようなアクションを起こしてほしいかを念頭に考えることで、ユーザーが回遊しやすくなる。この「設計」こそが、素人とプロの差が最も出る部分かもしれない。
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セキュリティという現実的な課題
2026年現在、AIを悪用した自動攻撃が激増しており、対策が甘い中小企業のサイトが乗っ取られる被害が続出している。セキュリティ対策、プラグインの定期更新、バックアップ体制——これらを自分で管理し続けることは、本業を持つ経営者にとって相当な負担だ。
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投資としての視点
「自分でもできる」は本当のことだ。ただ、「自分でやったものが、プロの仕事と同じ成果を生む」とは限らない。ホームページを完全外注すると50万〜100万円するので高く感じるかもしれないが、サイトデザインや導線設計が一流の仕上がりになるという視点は、コストではなく投資として考えると意味が変わってくる。
## まとめ
WordPressは素晴らしいツールだ。しかしそれは、使いこなす人間の手の中でこそ輝く。自分でホームページ作成に挑戦する前に、一度だけ立ち止まって考えてみてほしい——「このサイトは、本当に私のビジネスを前に進めてくれるか」と。
組織名:つながる.デザイン / 役職名:代表 / 執筆者名:住江義徳
